ikkou33’s diary

還暦を越えて( ´Д`)y━・~~

森の旅人

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図書館の科学の棚に最相葉月さんの「ビヨンド・エンジン」があるのを見つけた。最相葉月さんの本は、以前「絶対音感」を読んで、すごく面白かったのを記憶していたから、棚から取り出して、パラパラとめくって、眺めた。現代科学の最先端で活躍する科学者にインタビューをして書いた本だ。パラパラめくっていたら、最後にアルツハイマーを研究している脳神経科学者・星美奈子氏の記事が目に留まった。ある日、彼女は、学歴を取り去って素のままの自分になったとき、自分に何ができるのかを真剣に考えたら、その場にうずくまってしまったという。そうして、その時、思い浮かんだのは、ジェーン・グドールが書いた「森の旅人」の中の言葉だったと言う。

グドールはそのなかでこう言います。

「全部はぎとったところにこそ人の命の価値はある。価値があるだけでなく、ひとりひとりに役割を果たす義務がある。ひとりひとりに価値があり、役割があり、現実を変える力がある。だれでもいのちに責任があり、生きとし生けるものへの敬意と愛を行動でしめす必要がある。力をあわせて、自然とのつながり、遍満する霊的な力とのつながりを回復する必要がある。そうすれば、わたしたちは胸を張って、ヒトの進化の最終段階である霊的進化への道を歩くことができるようになる。」その言葉が胸をよぎり、科学者として、やって行くことができるようになったのだそうた。で、ジェーン・グドールの森の旅人なんて、その時まで知らなかったので、そこが図書館だつたのをいいことに、パソコンで検索すると、伝記の棚にあることが分かり、探して借りたのでした。

動物とキリストを愛した少女は、やがてチンパンジーの行動を観察する職にありつき、いままでの学説を覆す論文を次々と発表する、素敵な女性になる。その彼女の自伝が森の旅人です。

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グドールは、愛の起源は多くの動物たちにあることを示した。しかし、将来にわたる損失まではっきりと自覚しながら自己犠牲的な行動をとれるのは人間だけだ、とも記している。人間に備わった愛と慈しみと自己犠牲の資質は、未来への希望である、と。