ikkou33’s diary

還暦を越えて( ´Д`)y━・~~

苦海浄土

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フクロウを描きました。

池澤夏樹氏の個人編集で、河出書房新社から、世界文学全集を出していて、日本の小説として、池澤氏は、石牟礼道子さんの「苦海浄土」全三部を選んでいます。数ある傑作小説から、苦海浄土を選んだことは、とても意味がある事かも知れません。文庫本で、第1部苦海浄土 わが水俣病を読みましたが、文庫で出ているのは、この第1部だけで、二部三部は読んでいません。池澤氏の世界文学全集には、二部三部と、全部が収められています。図書館にそれが置いてあり、この機会に、苦海浄土全部を読もうと思いました。分厚い本で、借りて持ってくるのはしんどいのですが、幸い、誰も借りる人がいなくて、いつ行っても、棚に置いてあるので、図書館に行くたびに、棚からそれを引き出して読む事にいたしました。まさに、文学の言葉に、身体性が張り付いている見本の様な小説です。熊本、天草地方の漁民の身体性が、言葉となって立ち現れてくる。生きた言葉が、石牟礼さんの文体と溶け合って響いてくる。これぞ、小説を味わうとはどんな事かを知らしめてくれる小説です。生きてるうちに、一度は読むべき小説でしょう。