夕されば小倉(をぐら)の山に鳴く鹿は今夜(こよひ)は鳴かず寝(いね)にけらしも
さっきぼんやりと考え事をしていたら
『夕されば小倉(をぐら)の山に鳴く鹿は今夜(こよひ)は鳴かず寝(いね)にけらしも』
の短歌が頭に浮かぶ。中学の古典の時間に、万葉集の短歌をいくつか暗記させられた。
その中の一首だ。
雄鹿が、雌鹿を恋しがり、鳴く声が聞こえるのだが、今宵は鳴き声が聞こえないので、どうやら寝たらしいという意味だそうだ。
女恋しさに、男が鳴くって唄だよね。煎じつめて言えば!
さっき教会で知り合ったご夫婦の奥さんからラインがきて、なんだか今日は寂しそうだったから、ラインしましたって書いてあった。見た目、寂しそうだったのか私。
う〜〜ん。そうだったのか。
原因はなんだろか。多分文ちゃんの事かも。
今年に入って、全然電話が来なくなった。去年の暮にちょっとした事があった。それ以来、電話がない。留守電で、なんで電話くれないのって聞いたら、混乱しちゃってとメールがきた。またかよって思った。こうしてまた何年も連絡が来なくなるのかなって思った。そうなんだよ。文ちゃんって、そういう女性なのよ。精神的な病を抱えている様なんだ。さてどう対処しようかとずっと考えている事は考えている。
「最後まで耐え忍ぶものは救われる」って聖書には書いてあるから‥。