ikkou33’s diary

還暦を越えて( ´Д`)y━・~~

砂の女を再読してしまう

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「安倍公房とはだれが」を読み終わると同時に、うちにあった安倍公房全作品を引っ張り出して、「砂の女」を読んでしまう。何十年ぶりかで、読んだわけだけれど、違和感は全くなくて、今刊行されたばかりの小説のように新鮮だ。発表同時は、パソコンもインターネットもない時代だ。日本で最初にワープロで小説を書き、フロッピーに保存したのは、安倍公房で、その長編「箱船さくら丸」の宣伝文句は、その事を唱っていたけれど、今はそのワープロフロッピーディスクも廃れて、作品は、ネットのクラウドに保存し、見るのもダウンロードするのも、インターネットだ。隔世の感があるね。しかし、小説自体はまるで時代を感じさせない!初めて読む用な気分で、ページをワクワクしながらめくった。「砂の女」はすぐに映画化されて、映画も評判になり、数々の賞を取ったけれど、今その映画を見たら、古臭くてどうしようもないだろうね。映像技術は物凄い発展して、画像の美しさは、昔と比べてようがない。しかし天才級の人が書く、活字芸術は、全く古くならない。絵にしたって文章にしたってそこが、機械技術を使わない芸術の素晴らしいところだろう。何度でも立ち返ることができ、繰り返し感動することができる。

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上の写真は、「砂の女」の最後のページです。