ikkou33’s diary

還暦を越えて( ´Д`)y━・~~

にごりえ

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 おい木村さん信さん寄っておいでよ、お寄りといったら寄ってもいいではないか、また素通りで二葉やへ行く気だろう、押しかけて行って引きずって来るからそう思いな、ほんとにお湯なら帰りにきっとよっておくれよ、嘘っ吐きだから何を言うかしれやしないと店先に立って馴染みさらしき突かけ下駄の男をとらえて小言をいうような物の言いぶり、‥‥

樋口一葉にごりえ冒頭をここまで引用したけれど、また文の区切りの◯がなく、この先も延々と文が続いていく。文語文を読む素養がまるでないので、まず何を言っているかの理解からはじめなければならない。その後、この文を味わうほどの教養を身の内に育てなければ、一葉の小説の素晴らしさを知ることが出来ない。かすかなりとも、一葉女史の才能に驚くようになるには、まだまだなのかな?しかし、一葉女史を知れば知るほど、この才女があの時代に生まれ、文語文の最後で最高の作品を残した事が、奇跡の様に思われるのだ。