ikkou33’s diary

還暦を越えて( ´Д`)y━・~~

僕らは何処を目指して進むのだろうか

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文ちやんと最初に会ったのは、かれこれ三年ぐらい前の事でした。

訪問介護の仕事をはじめはばかりの頃でしたね。新規の利用者さんのお宅に伺う道で、文ちやんが店先を借りて絵をかざり、販売しているのに出くわしたのでした。大きい絵から小さな絵まで、およそ20点ぐらい、店の閉じられたシャッターに飾ってありました。どれも、スピリチュアルが満ち溢れる絵で、奇妙と言えば奇妙な雰囲気を漂わす絵でした。時間がなかったので、ちょっとだけそれを眺め、サービスが終わったらまた来るねと言って立ち去りました。僕はその少し前に、10年ほど付き合った女から、別れて下さいと一方的に関係を切られ、死にたくてしょうがない気持ちを抱えておりました。それで、友達に勧められて、牧師に相談に行ったりした頃でした。

彼女は、自分が本当は、何を望んでいるのか分からない

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泣きながら、どこにいるのよ、行くからと文ちやんが言うので、駅名を教えても、どうやって行くのか分からないと訴えるので、分かったよ、戻るよと言って、今来た駅に戻った。文ちやんがいたので、一緒に帰ろうと促した。文ちやんは、私の手をぎゅっと握って離さない。ご飯を食べてないんだろうと言うと、うんと頷く。バカみたいだなあ。なんで結婚出来ないだの、会えないだのと、私との関係を断つような事ばかり言うんだよ。それじゃ、私も覚悟を決めて、別れましょうと決断したのに。別れるなんて言ってないと、文ちやんはスネる。女の気持ちは、良く分からない。ターミナル駅まで、ふたりで手を握り合っていた。電車から降りて、駅ビルの中のレストラン街に行く。文ちやん、店を一軒一軒眺めて、食べたい物を決める。ピザとか、ハンバーグとかをメインにした店に決める。向かい合わせの席を外して、ふたり並んで食べられる席につく。身体を寄せ合いながらピザとかハンバーグとかサラダを食べる。なんてこんな簡単な事が、君は出来ないんだよと、私が言う。会えないだのなんだのって私を困らせて。だってだってあなたが悪いのよと、文ちやんが言う。私のどこか悪いのか、分からない。キスしたいとか、抱きたいとか言うじゃない。好きな女に望んじゃいけないのかよと言う。欲望に溺れるのは、罪悪よと文ちやん。ハア、罪悪なの!じゃ清い関係でいるわけね。なのに、君は、身体を寄せ合ってる。スキンシップって、安心するでしよ。好き同士なら。そうね、だから溺れちゃう。それがダメなの。そう、ダメなの。文ちやんが言う。

 

物事には紆余曲折があるわけだ

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文ちやんとは、このゴスペルコンサートで終わりにしようと思ったわけだ。自宅に来てくつろげる様にと、一月も前に買った文ちやんの部屋着も、いらないものになったから、会ったついでにあげようと持参した。文ちやんは、会場で会いましょうと言ってきた。友達は、どうすると聞いてきたので、駅改札前で待ち合わせにした。早く行って、改札前で待っていると、友達が降りる駅を間違えたから、遅くなるとメールがくる。ヤレヤレと、待っていると、文ちやんが来た。だから、友達を待ってるのと言った。部屋着が入った袋を渡した。君が来ないから、これ持って行ってよと言った。君もこれから色んな意味で大変だと言うし、外出も出来なくなるし、ぼくとの関係も清算したいみたいだから、今日が最後みたいだからと言った。文ちやん、驚いていた。ぼくだって、こんなモヤモヤした気持ちでずっと過ごすのは、イヤだし、別れるなら、早い方がキズが浅いからいい。君も知ってるでしよ。君に会う前に女に振られ、一時期グダグタになっていたぼくのこと。死にたくなって、牧師のところに転がり込んで、悩みをぶちまけて、それからキリストにすがる様になって、クリスチャンになったって事。分かったわと文ちやん言って、先に行ってるねと言い残し、文ちやんが行く。少し経って遅刻した友達が来たので、一緒に会場に行く。ステージが全部終わり、帰ろうとしたら、文ちやんは、まだしばらくここにいるから、先に帰ってと言う。友達とふたりで帰る。どこかに寄るかと友達に誘われるが、そんな気が起きないので、帰りましょうと言って駅まで行き、別れる。ひとりで電車に乗っていると、文ちやんから、電話が来る。電車が駅に着くとホームに降り、電話する。電話に出た文ちやんの声は、泣き声だ。ねえどこにいるの。ねえ!と泣きながら言う。

なんか、モヤモヤしてる(´∀`*)

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おはようございます。

浅草は昨日から三社祭りで、夜まで人が溢れておりました。なにせ職場が浅草神社すぐそばなもので、否応無くその騒ぎに巻き込まれる訳ですよ。ハッピ着たお兄さん、着物着た外国の女性たち、人力車に乗った観光客、バスからぞろぞろ降りて来る修学旅行の学生。こういう騒ぎが好きな人なら、浅草はいいところなんだろうけどね。

さて、私の心境といたしましては、失恋の痛手を受けた様な、やり切れない気持ちがありまして、心晴れ晴れとは行きません。今日は文ちやんがゴスペルのコンサートに誘ってくれたけど、別にデートではなく、文ちやんの知り合い大勢に声を掛けたんだそうで、一昨日の話しを聞いたら行く気が全然しなくなって、でも私の友達も来るので、その友達に悪いから、行く事にしたんだけれど、なんかもう文ちやんと会うのが切ないので、足が重い。後を引きずるのがイヤだから、会わない方がいいと思う。早く忘れたい訳です。またひとりで気楽に生きていくのが、いいんじゃないかと、と思い始めた。愛の成就は、メチャクチャ難しい。

 

人生に確かな道など、あるわけがない

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有楽町の交通会館で、パスポートを取得する。有楽町まで来たついでに、3月に展示会をしていた銀座の教文館に行く。2階のギャラリーステラでは、原画展が開催されていた。淡い夢の様な色調で描かれた絵本の原画展。

昨夜、文ちやんから電話。絵を売って暮らして行こうと思うから、これからは、経済的な理由で、あまり外出出来ないから、あなたとも会えなくてなると言う。絵なんかで暮らしていけるわけないじゃんと言うが、そんなのやって見なければわからないでしょと言う。だいいち私はどうなるの?エッ!結婚を前提で付き合ってたんじゃないのと私は慌てふためく。そうだったけど、今はここで暮らしていきたいの。絵を描いて、売ってと文ちやんが言う。なんなんだか、文ちやんとは、いつもわからなくなる。そんな堂々と巡りな話を、ずっとしていて、メチャクチャ疲れる。この理解不能ぶりが文ちやんで、このメチャクチャぶりが文ちやんで、こんな女を見た事がなかったので、私好きになってしまったのでした。ものすごい田舎に住んでいるんですぜ。あんな土地で絵なんか、売れようがないと、普通の人なら思うけどね。

 

こことよそ

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今年、第44回川端康成文学賞受賞作は、保坂和志の「こことよそ」でした。

雑誌新潮が、棚にあったので、読みました。保坂さんの小説は、筋らしい筋をわざわざなくしてあるので、一度読んだだけでは、迷路を彷徨っている様で、よく分からないのですが、迷路を彷徨うのが好きな人なら、たまらない魅力があり、長編なら、「未明の闘争」があって、一度読んだ限りは、何が書いてあったのかも、分からず、再読したけれど、今は何が書いてあったのか、全然思い出しません。「こことよそ」は短編だから、おおよそ、どんな事が書いてあるか、わかるのですが、やはり腑に落ちなさは、最高で、この手の小説が好きな人なら、良かったと言うだろうけれど、受け付けない人には、無理っぽい小説でしょうね。

 

旧約聖書 ダニエル書

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王の命令に背いて、獅子のいる穴に投げ込まれるダニエル。しかし獅子たちは、ダニエルに襲いかかりもせず、大人しくしているのよ。

まあ、そんなダニエル書を図書館で読んでる昼下がり(^。^)。